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溶連菌感染症

溶連菌感染症とは ~ 急性腎炎に注意

正確にはA群β溶血性連鎖球菌といいます。
「劇症型溶連菌感染症」で重症化することもありますが、極めてまれです。
溶連菌は抗生剤がよく効きます。
大部分は、早期からの抗生剤の治療で、後遺症もなく治ります。
しかし、治療せずにいると急性糸球体腎炎や、心臓、関節、神経が障害される リウマチ熱の原因となることがあります。注意が必要です。

溶連菌感染症の症状

のどの痛み、発熱、発疹が主な症状です。のどの赤さが普通のかぜとは少し違って真紅で、周辺にもそれが砂粒のように点々と広がっています。
皮膚には特徴的な細かい赤い発疹でますが、早い時期にはまだ発疹が出ていないこともあります。溶連菌感染の診断には、血液検査や、のどの浸出液を培養したりすることもありますが、結果が出るまで時間がかかるのが難点です。
これに対して、のどの浸出液を綿棒で拭い取って菌の抗原を調べる検査は数分で診断ができ、大変便利です。
治りかけてくると発疹が出ていた皮膚の表面がぼろぼろとむけてきます。

溶連菌感染症の注意

通常、溶連菌には抗生剤がよく効きます。抗生剤をのみ始めて2日もすれば、熱、のどの痛み、発疹などの症状は治まって来ます。
しかし、ここで安心してはいけません。溶連菌は扁桃腺の中などに潜んで、慢性の炎症をおこすことがあります。
抗 生剤を10日~14日続けて内服し、できるだけしっかりと殺しておくことが重要です。抗生剤をきちんと内服して2日経っても症状が改善しない場合は、薬が 効いていない可能性がありますので、来院してください。溶連菌感染症に何度もかかる人がいますが、その原因の一部は、抗生剤を十分のんでいなかったせいだ と思われます。
また、溶連菌感染症では、急性糸球体腎炎になることがありますが、抗生剤の十分な内服で、危険性は大きく減ります。

急性糸球体腎炎とはどんな病気ですか?

多くは、溶連菌に感染して、1~3週間後に発症します。血尿、むくみ、頭痛(吐き気)が主症状です。
急性糸球体腎炎になってしまったら、これを積極的に治す治療法はありません。入院して安静、水分と塩分を制限や利尿剤で尿を出したり、血圧を下げたりしてしのぎます。
場合によっては透析が必要なこともあります。幸いなことに、急場を乗り切ると、自然に治るケースが多いのですが、慢性腎炎、さらには腎不全となり、一生透析が必要になることもあります。
溶連菌感染の後1ヵ月くらいで一度検尿を受けておくと安心です。

溶連菌感染症はうつりますか?

感染力は、はしかやインフルエンザのように強くはありませんが、子どもにはうつりやすいです。
特に幼稚園児や小学生にうつると、先に述べたような典型的な症状が出ます。大人にはあまりうつりませんが、こどもにはうつりやすいので、兄弟などがかかって、常に濃厚に接触する場合は、予防的に抗生剤を2~3日のませた方がよいでしょう。

いつから、幼稚園や学校に行けますか?

抗生剤をしっかり内服して2日もすれば、熱はひいて、発疹は消え、のどの痛みも消えるはずです。
そうしたら、登校(園)してもかまいません。
ただし、治ったからといって抗生剤を勝手にやめてはいけません。
園や学校に持って行って指示されたようにしっかり抗生剤を内服することが大切です。